文藝春秋社刊『「神様」のいる家で育ちました~宗教2世な私たち~』 についての教団見解
文藝春秋社が出版した漫画『「神様」のいる家で育ちました~宗教2世な私たち~』(菊池真理子氏著作)に収録されている第5話(以下、本漫画)は、幸福の科学について描いたものと思われますが、多くの事実誤認等が存在するとともに、信仰の対象や教義等に対する不当な描写によって、教団信者の信仰を著しく害するものです。
集英社版の漫画にあった事実誤認を事実上認めた文藝春秋社と菊池真理子氏
本漫画は本年2月、集英社が自社のウェブサイト「よみタイ」に掲載したものを、文藝春秋社が単行本化したものですが、その際、集英社版にあった多くの事実誤認等の一部が削除・修正されています。一例を挙げると、「男女交際がバレたりすると」「鍵付きの小部屋に閉じ込められ」るというくだりが削除され、「家には300万くらいする祭壇もありました」とするくだりでは金額部分が削除されています。また、「つっこみどころだらけの教義」などと具体的な指摘もないまま誹謗する場面も削除されています。これは、文藝春秋社と菊池真理子氏が、集英社版の漫画にあった事実誤認を事実上認めたものです。
本漫画にある明らかな事実誤認の数々
本漫画にある明らかな事実誤認の主なものは、以下の通りです。
1.「夜のお祈りに出なかったり 門限を破ったりすると小部屋で延々と教祖の法話を聞くことになります」
→そのような事実はありません。夜のお祈りに出なかったり、門限に遅れる場合は、せいぜい口頭注意程度です。
2.「総裁先生も東大を勧められてる」
→そのような事実はありません。
3.「市街地までバスと電車で1時間かかる山の中」
→最も近い市街地まではバスで30分です。
4.「週に2コマほど宗教の時間」
→週に1コマです。また、私立学校は道徳の時間を宗教の時間で代替できることが法令で認められています。
5.「お城みたいな家」
→家ではなく霊天上界と交流するための宗教施設であり、それを支えるための多数の僧職者も聖務をしています。
6.「何もできないようにさせられた」
→そのような制限はなく、様々な進路選択も各自の判断でされています。既に千数百名いる卒業生は、一部は教団職員に、多くは一般企業等に就職し、様々な分野で活躍しています。
7.「大学出たら教団のために働けと言われてる」
→そのようなことは教えていません。
心配する家族や教師、友人から自ら連絡を絶っている主人公
また、本漫画では「母が私の名義で多額の借金をつくっていたことも判明」などと描かれています。これは奨学金のことと思われますが、奨学金は本人名義でしか借りられません。本漫画のケースの場合、実際には当初から奨学金はすべて母親が代わりに返済しています。
学園の高校への入学も本人の意志であり、学園在籍中には、部活動にも積極的に参加し、卒業後は一般の大学に進学しています。卒業後10年が経過し、本人を心配する家族や教師、友人等からの連絡を自ら絶っているというのが現状です。
本漫画の冒頭では、「24歳 死ぬことにしました」と主人公が薬物を大量摂取して自殺を図るようなシーンが描かれていますが、当グループは「自殺してはいけない」ことを繰り返し教えています。人間は神の子として「永遠の生命」を与えられており、“死んだらすべて無くなる”という唯物論・無神論は間違いです。
無責任に尊い信仰を傷つけていいということにはならない
また、漫画著者の菊池真理子氏は、元創価学会2世であり、日蓮宗系の一部にみられる“他宗排撃”思想が色濃く投影されているように見受けられます。菊池氏は漫画についてのツイートで「傷つけない作品、公平性、中立性、両論併記、そんなことに縛られていたら2世問題は俎上にもあげてもらえない」としていますが、自ら、自分の漫画の真実性が低いことを認めた無責任な発言です。実在する教団を扱っている以上、信仰している多くの人たちの「尊い信仰」を傷つけていいということにはなりません。
宗教についての偏った作品こそ「人権問題」
大川隆法総裁は、多くの信者が尊い信仰心を捧げる当教団の「信仰の対象」です。本漫画には、教団信者の信仰感情を傷つける描写が数多く存在します。例えば、「宗教学園の一期生なんかにされちゃって」というセリフとともに、明らかに教団総裁と見える人物が描かれ、主人公の不幸の元凶であるかのように描かれています。しかし実際には、信仰心を持つことで、揺るぎない人生観とともに心の安定や平静を得て、「幸福になった」と考えている学園卒業生が大多数です。本漫画のような事実を歪曲した描写や、ごく少数の偏った一方的な否定的意見のみを紹介することは、その宗教に対する忌避感情や「宗教差別」を助長するものであり、それ自体が、信仰を持つ家庭の子弟を悩ませる「人権問題」です。
内部事情について詳しいふりをして虚偽を述べる宏洋氏
また、本漫画では、「教祖の長男が教団の内部を暴露し始めました」としています。しかしながら、宏洋氏は、当教団の内部事情について詳しいふりをして虚偽を述べているだけです。実際に、当教団側が提訴したYouTube動画に関する裁判及び文藝春秋社が発刊した書籍『幸福の科学との訣別』に関する裁判の判決において、宏洋氏の多数の虚偽が認定され、損害賠償や関連動画の削除が命じられ、当グループ側が勝訴しています(東京地裁2022年1月21日判決、東京地裁同年3月4日判決)。さらに、YouTube動画に関する裁判では、東京高裁の控訴審判決において、一審で認められなかった箇所の名誉毀損も認められ、宏洋氏の反省のない態度が「悪質である」と指摘されるとともに、損害賠償額が7割増額され、動画削除も命じられております(東京高裁同年9月29日判決)。これらの判決において、宏洋氏の主張の真実性は、1点たりとも認められておりません。
文藝春秋社には良心が欠如している
漫画の公開中止に踏み切った集英社は、その理由として「特定の宗教や団体の信者やその信仰心を傷つけるものになっていたことは否めません」とし、「このことを重く受け止め、お詫びいたします」と、出版社の良心に基づいて、誠実な対応を行いました。しかし、今回、文藝春秋社は多くの事実誤認を残したまま、当グループへの何らの事実確認の取材を行わず、単行本化しました。言論・出版の自由とは、市場参加者に良心・良識があるということを前提とした性善説で成り立っていますが、文藝春秋社には良心が欠如していると言わざるを得ません。
文藝春秋社は、虚偽による印象操作によって、当教団のイメージダウンを狙う悪質な本漫画作品を出版することで、多くの人々の尊い信仰心を傷つけました。同社はまず脚下照顧し、この責任の重さを十分に自覚するとともに、「正しい報道とは何か」について真摯に向き合っていただきたいと考えます。